オタクであるということは特殊能力であるということ

このマンガがすごい!」みたいなランキングあるじゃないですか。デトロイト・メタル・シティとか、デス・ノートとか古谷実とか青年誌にのってそうなマンガが上位をしめるアレです。代打担当も読んだ本は全部マンガばかりで次の日全部忘れちゃうな日々を過ごしているんですが、このランキングによく入ってそうなマンガで「もやしもん」っていうマンガがあるんです。評判のマンガですね。作者は石川雅之という人で、代表作が「週刊 石川雅之」というんですが、どんなマンガさんなのか大変説明しにくいんですが、代打担当はこの人の書くマンガは比較的好きなんです。でも、「もやしもん」だけは読んだことがなかったんですね。

今回その石川雅之の「もやしもん」を読みました。主人公は農学部に通う大学生が主人公で、菌のことを勉強しているんです。菌といってもそんなに難しい話ではなくてお酒を造ったり、インフルエンザに感染したり、食中毒になったりとか、そんな感じで物語は展開するんです。ただ一個だけ、主人公の沢木は「菌が見える」という常識ではありえない特殊能力を持っているんです。字が多くて読みにくい面はありますが、まあ、大学生活とその菌についてをリンクさせた感じで比較的楽しく読めるんですよ。


もやしもん(3) (イブニングKC)

もやしもん(3) (イブニングKC)

ただ、この「もやしもん」のテイストは以前、どこかで読んだことがある!なんだろう?と考えてみたんです。

そうだ、あれだ!

げんしけん(7) (アフタヌーンKC)

げんしけん(7) (アフタヌーンKC)

げんしけん」です。

今さら「げんしけん」について語るのはどうかと思いますが、「げんしけん」というマンガは大学サークル「現代視覚文化研究会の略称『げんしけん』」での大学生的日常を描いた物語なんです。要するにオタクサークルの毎日というお話なんです。

もやしもん」の主人公沢木の持つ「菌が見える」という能力は驚くべきもので、菌を研究する人間だったら誰もが欲しがる能力なんです。でも、沢木本人にはその価値にたいして自覚がないんですね。生まれたころから自分に備わっている能力ですから。

げんしけん」の主人公笹原には「もやしもん」の主人公沢木のごとき特殊能力はないんです。単純にオタクなだけです。でも「げんしけん」という物語を強く引っ張ることは出来るんです。もしも、「もやしもん」の主人公が「菌が見える」能力が無かったらどうなんでしょうか。「もやしもん」という物語を引っ張ることができたんでしょうか。少なくとも、興「このマンガがすごい!」みたいなランキングで上位に顔をだすことは難しかったのではないか、とも思います。もちろん、石川雅之は技量のある素晴らしいマンガ家さんだと思います。でもやっぱり農学部と菌を扱っていることから地味な物語にならざるえないと思います。とっても興味深いところです。

ここで代打担当は思いました。もはや、マンガ的な表現の中では「オタクであること」は「菌が見える」ということと同じくらいの特殊能力なんだなあと。

全然関係ないですが、コムショップ通販にはオスカルというサントラ担当がいます。彼は日常生活で普通に「萌え〜」と叫ぶ、もっとも特殊能力者と呼んで差し支えない存在です。というか特殊能力者マスターです。「げんしけん」で言えば会長にそっくりです。そんな彼が特殊能力者だと気がついた代打担当は彼に敬意を表してコムショップ通販のトップページのサントラコーナーの入り口にしてみました。上の画像はオスカルを写メでとるフルカブの様子です。